One Night Lover
華乃が起きた時、隣に昨夜の男はいかなかった。
身体にかけてある布団を足で勢いよく蹴り飛ばして起き上がる時、
男が書いたメモがテーブルから落ちて
ベッドの下のゴミ箱の中にスルリと落ちた。
華乃は男のメモに気付くことなく
やり逃げってこういう事だなぁと茫然としたが
あの男とは初めからそういうつもりで寝たんだと自分に言い聞かせた。
ベッドから起き上がるとき、シーツに自分がつけた赤い染みを見て少し驚いた。
恥ずかしくてシーツを剥がしてバスルームでそれを洗った。
ドライヤーで乾かして綺麗に畳んで脱衣カゴにそれをいれた。
それからシャワーを浴び、自分の身体に指を滑らすと
昨日の男の指の記憶が蘇ってくる。
「初めてってバレてないかな?
ま、もう関係ないか。」
そんな独り言を言ったが本当はかなり後悔してる。
知らない男とあんな行為に及ぶなんて
本当にバカみたいだと思った。
そして男を知ってしまった自分の身体を丁寧に洗った。
ベッドを整え、服を着て部屋を出た。
ホテル代は既に清算されていた。
そのくらいの良心はあるんだなと思って
華乃は自分の部屋に戻る前に
近くのファストフード店で遅めの朝食をとった。
すると華乃の肩を後ろから誰かが叩いた。
振り向くと昨日、自分を振った山崎渉が立っていた。
「華乃、おはよう。偶然だね。」
渉は華乃の2つ上の先輩で
高校一年の時、華乃は渉に一目惚れしてから昨日までずっと慕っていた。
渉が卒業して上京する時、
必ず同じ大学に入ると誓い、
猛勉強してその夢を叶え、
同じアパートの一階上に住んでいる。
しかし渉にとっての華乃は
妹みたいな可愛い後輩というポジションから変わる事はなく、
昨日華乃に告白された時
渉は華乃に
「華乃は妹みたいな存在だから…このままじゃダメか?」
とアッサリ振られてしまった。
振った女に何のわだかまりもなく声をかけてくるあたり、
本当に何とも思ってないなと華乃は思った。
「今から大学ですか?」
「うん。」
昨日と同じかなり派手めな服だけど…
渉はその事にすら全く気付いてないみたいだ。
「隣に座っていい?」
「あ、はい。」
渉はいつもと変わらず華乃に優しい笑顔を向け
華乃が口の横に付けたケチャップを躊躇いもせず
自分の指で拭った。
身体にかけてある布団を足で勢いよく蹴り飛ばして起き上がる時、
男が書いたメモがテーブルから落ちて
ベッドの下のゴミ箱の中にスルリと落ちた。
華乃は男のメモに気付くことなく
やり逃げってこういう事だなぁと茫然としたが
あの男とは初めからそういうつもりで寝たんだと自分に言い聞かせた。
ベッドから起き上がるとき、シーツに自分がつけた赤い染みを見て少し驚いた。
恥ずかしくてシーツを剥がしてバスルームでそれを洗った。
ドライヤーで乾かして綺麗に畳んで脱衣カゴにそれをいれた。
それからシャワーを浴び、自分の身体に指を滑らすと
昨日の男の指の記憶が蘇ってくる。
「初めてってバレてないかな?
ま、もう関係ないか。」
そんな独り言を言ったが本当はかなり後悔してる。
知らない男とあんな行為に及ぶなんて
本当にバカみたいだと思った。
そして男を知ってしまった自分の身体を丁寧に洗った。
ベッドを整え、服を着て部屋を出た。
ホテル代は既に清算されていた。
そのくらいの良心はあるんだなと思って
華乃は自分の部屋に戻る前に
近くのファストフード店で遅めの朝食をとった。
すると華乃の肩を後ろから誰かが叩いた。
振り向くと昨日、自分を振った山崎渉が立っていた。
「華乃、おはよう。偶然だね。」
渉は華乃の2つ上の先輩で
高校一年の時、華乃は渉に一目惚れしてから昨日までずっと慕っていた。
渉が卒業して上京する時、
必ず同じ大学に入ると誓い、
猛勉強してその夢を叶え、
同じアパートの一階上に住んでいる。
しかし渉にとっての華乃は
妹みたいな可愛い後輩というポジションから変わる事はなく、
昨日華乃に告白された時
渉は華乃に
「華乃は妹みたいな存在だから…このままじゃダメか?」
とアッサリ振られてしまった。
振った女に何のわだかまりもなく声をかけてくるあたり、
本当に何とも思ってないなと華乃は思った。
「今から大学ですか?」
「うん。」
昨日と同じかなり派手めな服だけど…
渉はその事にすら全く気付いてないみたいだ。
「隣に座っていい?」
「あ、はい。」
渉はいつもと変わらず華乃に優しい笑顔を向け
華乃が口の横に付けたケチャップを躊躇いもせず
自分の指で拭った。