One Night Lover
華乃と健が付き合って2年が過ぎた。
華乃は後輩ができて、一番下っ端から下から二番目のアシスタントに昇格した。
小間使いから少しだけデザイナーのアシスタントに近づいた気がしたがまだまだ夢には程遠い。
それでも深鈴に自分の企画案を出し
採用はされなくても検討される程度にはなった。
華乃は健からプロポーズされていた。
だが、まだ迷っている。
この会社は社内恋愛に厳しい。
結婚して仕事を続ける事は出来ても
健か華乃のどちらかは違う課に異動になる。
2人とも文具デザイナーを目指してこの会社に入社したのに
今まで社内で結婚した者同士が同じ課に居られた試しがない。
それどころか付き合ってると噂が立っただけでどちらかは異動させられる。
入社した時、会社から公に恋愛禁止と言われる訳ではないが
華乃も健も上司から社内恋愛には注意が必要だという話を何となく聞かされている。
特に深鈴と葛城の関係は人に知られたら大きな問題になる。
深鈴は独身だが、葛城は既婚者である。
たとえデザイナーであっても退職は免れないだろう。
「深鈴さんはさ、葛城さんとどうするのかな?」
「あの2人ってまだ続いてるのかな?」
「うーん…どうだろう?
私はまだ続いてると思うけどね。
だって深鈴さん、時々葛城さんのこと目で追ってるもん。」
「じゃあ華乃はどう?俺のこと目で追ったりしてる?」
華乃は答えずにベッドから起き上がった。
「華乃…結婚ダメかな?」
華乃の腕を健が掴んで抱き寄せる。
「俺、結婚したいんだけど…」
「まだ…もうちょっと仕事頑張りたいの。」
「異動するのは俺かも知れないだろ?」
どう考えても健の方がデザイナーになる日は近い気がした。
異動を言い渡されるのはきっと自分になると華乃は思っている。
「健はわかってないよ。」
華乃は抱きしめていたタケルの手を解き
ベッドの上でさっき脱がされた下着を着け
帰り支度を始めた。
「怒ってんの?シャワーくらい浴びて帰れば?」
健が引き止めるのにもかかわらず
華乃は部屋を出て行った。
華乃は後輩ができて、一番下っ端から下から二番目のアシスタントに昇格した。
小間使いから少しだけデザイナーのアシスタントに近づいた気がしたがまだまだ夢には程遠い。
それでも深鈴に自分の企画案を出し
採用はされなくても検討される程度にはなった。
華乃は健からプロポーズされていた。
だが、まだ迷っている。
この会社は社内恋愛に厳しい。
結婚して仕事を続ける事は出来ても
健か華乃のどちらかは違う課に異動になる。
2人とも文具デザイナーを目指してこの会社に入社したのに
今まで社内で結婚した者同士が同じ課に居られた試しがない。
それどころか付き合ってると噂が立っただけでどちらかは異動させられる。
入社した時、会社から公に恋愛禁止と言われる訳ではないが
華乃も健も上司から社内恋愛には注意が必要だという話を何となく聞かされている。
特に深鈴と葛城の関係は人に知られたら大きな問題になる。
深鈴は独身だが、葛城は既婚者である。
たとえデザイナーであっても退職は免れないだろう。
「深鈴さんはさ、葛城さんとどうするのかな?」
「あの2人ってまだ続いてるのかな?」
「うーん…どうだろう?
私はまだ続いてると思うけどね。
だって深鈴さん、時々葛城さんのこと目で追ってるもん。」
「じゃあ華乃はどう?俺のこと目で追ったりしてる?」
華乃は答えずにベッドから起き上がった。
「華乃…結婚ダメかな?」
華乃の腕を健が掴んで抱き寄せる。
「俺、結婚したいんだけど…」
「まだ…もうちょっと仕事頑張りたいの。」
「異動するのは俺かも知れないだろ?」
どう考えても健の方がデザイナーになる日は近い気がした。
異動を言い渡されるのはきっと自分になると華乃は思っている。
「健はわかってないよ。」
華乃は抱きしめていたタケルの手を解き
ベッドの上でさっき脱がされた下着を着け
帰り支度を始めた。
「怒ってんの?シャワーくらい浴びて帰れば?」
健が引き止めるのにもかかわらず
華乃は部屋を出て行った。