One Night Lover

それは海斗の本心だった。

「愛してる」

軽く言ったけど、海斗がその言葉を人に言ったのは初めてだった。

そして帰ろうとする華乃の手を離さなかった。

「もっと一緒にいてよ。」

仕方なく華乃は海斗の側にいた。

「キスして。」

「やだ、うつりたくない。」

「マジかー、人にうつすと早く良くなるって聞いたのに…」

そう言って不意をついて華乃にキスをした。

「やだ！うつるじゃん！」

華乃はそう言ったけどそのまま海斗とキスを続けた。

「華乃ちゃん…
俺、動けないから口で気持ちよくしてよ。」

「は？バカじゃないの！？寝てなさいよ！」

海斗はそんな華乃を愛しそうに笑って見ていた。

「少し眠って。側にいるから。」

華乃が海斗の髪を撫でてそう言うと
海斗はそのまま華乃の手を握って眠ってしまった。

そのうち華乃も眠くなって海斗の隣で眠った。

眼が覚めると辺りはすっかり暗くなっていた。

海斗はまだ眠っていて、
華乃はその寝顔を愛しく見つめた。

この感情は何なのか自分でもわからなかった。

ただ確実に藤ヶ瀬とのことを思い出す回数が減った。

「華乃ちゃん…」

海斗が名前を呼んで華乃は海斗を見た。

「やっぱ好きだわ。オレ…華乃ちゃん。」

華乃は海斗のその言葉を聞いて胸がキュンとなった。

「海斗くん…私…私は…」

そう言いかけたところで海斗が華乃にキスをして口を塞いだ。

「その先は言わないでよ。わかってるから。

でも…俺…もう止まんない。」

そう言って華乃に再びキスをした。

深くて今にも気持ちが崩れそうだった。

「華乃ちゃん、マジで気持ちよくして。」

華乃は海斗の身体にキスをした。

「海斗くん、熱下がってないよ。」

「いいから…してよ。」

そして華乃は海斗に言った。

「じゃあ私も気持ちよくしてくれる？」

「いいよ。」

そう言って海斗は華乃の肌に触れた。