イケメンエリート、愛に跪く
「ここのコテージは、お客様専用になってるんだ。
家族連れでも泊まれるように、リビングも寝室も広くしてある」
舟に案内されてそのコテージに入ると、愛は白を基調したスタイリッシュな内装にため息が出た。
お手伝いさんが綺麗に掃除をしてくれているのだろう。
ソファもテーブルも全ての家具がピカピカだった。
舟がリモコンをブラインドに向けると、スルスルと上がっていくブラインドの先に見えてきたのは、窓ガラス一面に広がるプールだった。
「これはコテージ専用のプール、でも10m位しかないんだ。
がっつり泳ぎたい時は、母屋の方にもプールがあるから、そっちに行けばいいよ」
舟は愛の腰を引き寄せる。
「舟君、私、泳げないって言ったでしょ?」
「でも、せっかくハワイに来てるんだから、一回くらい泳ごうよ。
大丈夫、僕がずっと抱っこしててあげるからさ」
そして、舟は愛をバスルームに連れて行った。
「僕は今からひと泳ぎするから、愛ちゃんはゆっくりお風呂に入っておいで」
愛は豪華なバスルームにまたため息が出た。
舟の家は、きっと、私の想像を超える程のお金持ちなのだろう…
愛はそのまま寝室へ行くと、もう愛の荷物はそこに届いていた。
着替えを用意してバスルームへ向かう途中、リビングの窓からプールを覗いてみる。
そこには、水面にプカプカ浮かぶ舟が見えた。
何を考えているのか、仰向けになり夜空に浮かぶ星空をずっと見ていた。