イケメンエリート、愛に跪く
舟は愛のいる場所へ泳いでいく。
夜のプールに月明かりや家の灯りが反射して、水面がキラキラ輝いて見える。
舟は水面越しに見える愛に釘付けだった。
僕を取り巻く世界の中で、愛ちゃんが何よりも美しい。
恋をした男のありがちな台詞なのかもしれないけど、でも、僕は子供の頃からそう思っていた。
愛ちゃんは、僕の周りの女の子の中で、一番可愛いよ…
「ねえ、愛ちゃんも入らない?」
昼間の陽射しで温まったプールの水は、夜になってもいい感じで生温かい。
舟は愛の目の前に来ると、上目使いで愛にそう聞いた。
愛はプールの縁に座っている体を少しずらして、手をプールの中に入れてみた。
「気持ち良さそうだけど、でも水着を持って来てないんだ…」
舟はそう言って肩をすくめる愛の隣に、濡れたままの体で座った。
愛は驚き戸惑って、目のやり場を探してしまう。
「このままでいいじゃん。
ここは公共のプールじゃないから、洋服着たまま泳いでも大丈夫だよ」
愛は水に濡れた舟の体にドキドキが止まらない。
子供の頃は小柄だった舟が、身長が伸びた事だけで愛は驚いた。
でも、今、裸になった舟の体は、想像とは全く違った。
服を着ている時は華奢に見えていたのに、月明かりに照らされる舟の肉体は完全な男の体だった。