イケメンエリート、愛に跪く



肩幅は広く、無駄な肉などついていない。
柔らかくおっとりとした舟からは想像がつかないたくましい体に、愛は心臓が恥ずかしい程に高鳴った。

そんなもじもじしている愛を舟は覗き込む。


「入ろうよ、気持ちいいよ」


愛はこのシチュエーションに抗えないと思った。
舟の体に抱かれたいと思う自分が、尻込みする自分より勝っている。


「…このままでいい?」


愛ははおっていた薄手のパーカーを脱ぎ、ノースリーブのシャツに短めのショートパンツ姿になる。
舟は指でOKサインを出すと先に自分がプールに入り、その後に、愛の手を取り優しくゆっくりと愛を水の中に導く。

愛は舟の首元に抱きついた。
プールなんて、一体何年ぶりだろう…

舟は愛の体をしっかり支えながら、上手に真ん中へ泳いでいく。


「愛ちゃん、このプールには落とし穴があって…
すり鉢状になってるから、真ん中が一番深いんだ。

だから、愛ちゃんは一人の時は、真ん中に行っちゃダメだよ」


ちょうど真ん中に行きついた舟は、愛を支え器用にプカプカ浮いている。


「どれくらい深いの…?」


そう聞いた愛は、無意識に舟に絡み付く。


「一緒に潜ってみる?」


舟はそう言うと同時に、愛を支えたまま水の底に沈んでいった。




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