イケメンエリート、愛に跪く



一つになる事はやっぱり簡単な事だった。
舟が今まで経験してきたどんな恋愛よりも、単純で明快だった。

人を愛するという尊い感情は、愛を抱く行為にも特別な意味を与えてくれる。
僕の愛へのひたむきな愛情はマグマのように噴き出すだけで、きっと終息を迎える事はないだろう。

僕はこれからの人生をかけて、愛ちゃんを幸せにする…
愛ちゃんが僕と結婚してくれればの話だけど…


二人はプールから寝室に移動して、朝が来るまでじゃれ合って楽しんだ。
お互い会えなかった長い時間を少しでも埋めるように、今までのお互いの歴史を教え合った。
喋ってはキスをして抱き合って、その繰り返しで夜が明けた。


今、愛ちゃんは、僕の腕の中で可愛らしい寝息を立てている。
愛ちゃんの心の傷を僕の力でどれ程癒せるかは分からないけれど、でも、僕が日本を発ってしまう前には、必ず答えを見つけだす。

愛ちゃん、僕に失敗はないんだよ…

もし、僕が愛ちゃんと結婚できなかったのなら、今までの成功は何の意味も成さなくなる。
だって、愛ちゃんと結婚するという僕にとって最高で最大な成功は、今までの成功が一万個並んでも足元にも及ばないから。

それだけ、僕の中で、愛ちゃんの存在は唯一無二のものなんだ。


舟はそんな事を考えながら、愛の隣で眠りにつく。
柔らかい愛の体を、自分の体の中にすっぽりと包み込んで…
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