イケメンエリート、愛に跪く




愛は作り笑いを浮かべながら、家へ入った。
でも、両親を前にして、ハワイの思い出を話せる程まだ心が平静じゃない。


「お母さん、ハワイの話は明日でいい?
時差のせいか、すごく眠いんだ。

あ、すごく楽しかったよ…
明日、話すから、楽しみにしててね」


愛はそう言うと、二階にある自分の部屋へ駆け込んだ。
ドアを閉めた途端、一気に力が抜ける。
愛はドアを背に、膝を抱えて泣いた。


舟君にもう会いたい…
舟君の声が聞きたい…



お母さん、どうしよう…
私、舟君と一緒に、ロンドンに行きたいよ…

でも…
ダメだよね…




私は、幸せになる資格はないよね…




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