イケメンエリート、愛に跪く
人が居ない事を確かめると、舟は愛に濃厚なキスをした。
「愛ちゃん、ありがとう…
マジで僕、泣きそうだよ」
愛は舟の頬にそっと触れ、優しい笑みを浮かべた。
でもその後に、すぐに時計を見る。
「舟君、行くよ」
愛はそう言いながら、また舟の手を引き早歩きを始める。
「舟君、舟君がダイヤモンドだろうがメタルだろうが、時間はちゃんと守らなきゃダメ。
分かった?」
舟は肩をすくめて笑った。
愛ちゃんは覚悟を決めて僕のところへ来てくれた。
大人になった僕は、愛ちゃんを守る事だけ考えて守っている気になっていたけれど、本当のところはやっぱり僕が愛ちゃんに守られてたんだ。
「愛ちゃん、結婚しよう…
ねえ、いつがいい? 僕はできれば早い方がいいな」
愛は困ったように微笑んで、振り返って舟を見る。
「舟君、そんな大切な話、こんなに急いで早歩きの時にしちゃダメだよ…
これからたくさんの時間があるんだから、ゆっくり考えよう、ね…?」
愛ちゃん…
僕は絶対に失敗はしないんだ。
欲しいものは必ず手に入れる。
愛ちゃんなら、なおさらだよ…
僕は必ず愛ちゃんを幸せにする。
それだって、必ず叶えてみせるから…
愛ちゃん、愛してるよ…
僕についてきてくれて本当にありがとう…