イケメンエリート、愛に跪く



結婚式当日の朝は、雲一つない快晴だった。

結婚式というよりウェディングパーティと言った方が合っている。
パーティの途中で神父様に来てもらいちょっとした式を挙げるというのが、今日のスケジュールだった。

お昼過ぎから始めるパーティのために、愛は母親と一緒に用意をしたウェディングドレスを身につける。
舟の母のソフィアも、愛の姿を見に来ていた。


「愛ちゃん、本当にきれい…」


ソフィアは本当に感動している。
子供の頃に舟の愛への思いを断ち切らせた責任を、ソフィアはずっと心に思っていた。
こんな形で舟の元へ愛が来てくれた事は、きっとこの家族の中でソフィアが一番に喜んでいる。


愛が母に手を引かれウェディング形式にセッティングされた庭の中へ出て行くと、舟がその中心で愛を待っていた。

舟は大きく息を吐く。
愛ちゃんは本当に美しい。
小さい頃から僕はいつもそう思っていた。
愛ちゃん以上に可愛くて綺麗な女の子はいないと…

二人が舞台に並ぶと、写真撮影タイムが始まった。






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