イケメンエリート、愛に跪く



「あ、愛ちゃん、その前に、言っておきたい事があるんだ。
ここにいる皆さんも聞いて下さい。

皆さんも知ってるように、愛ちゃんは日本では有名なアナウンサーでした。
僕は、その頃の愛ちゃんを全く知らなくて、どういう風に活躍していたかは、きっと皆んなの方がよく知っているのかな。

でも、すごく愛されていたアナウンサーだったというのは聞きました。
それは、僕も見てはないけれど、そう確信しています。

それで…」


舟はそう言うと、愛を隣に引き寄せた。


「僕は、愛ちゃんと愛ちゃんの家族に、愛ちゃんを必ず幸せにすると約束しました。
色んな事があった愛ちゃんは、不幸のどん底にいたので…

あ、すみません、どうぞ」


舟はそう言って誰かを呼んだ。
すると、カメラを手に持った雑誌記者が一人、愛と舟の前に現れた。
愛は息を飲んだ。
心の中のトラウマが騒ぎ出そうとしている。
でも、そんな愛の肩を舟が優しくさすった。大丈夫だからって言いながら。



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