イケメンエリート、愛に跪く



愛は泣いちゃいけないと思えば思うほど、涙が止まらない。

舟は、愛をそして愛の家族を本当の意味で救ってくれた。
舟の方から愛を見つけ、舟が愛にのめり込み、傷心な愛の気持ちと結婚を勝ち取ったと週刊誌に書くと言う。
世間の厳しい意見を断ち切るように舟の経歴も包み隠さず書き、それ以降は愛を追わないと出版会社と約束まで取り付けた。

そんな事まで考えていてくれた舟に、愛は感謝以外の言葉が見つからない。


「愛ちゃん、今から結婚式が始まるんだから、そんな泣いちゃダメだよ」


愛は泣き笑いしながら、舟の耳元でこう囁いた。


「舟君、ありがとう… そして、本当に本当に愛してる…」





そこから皆に祝福され、最高に楽しいパーティが始まった。
愛はこんな風に自分の人生が廻る事が、未だに信じられない。
舟という救世主を送ってくれた神様に、心の底から感謝した。


陽が落ち始めた頃、愛達の元へ神父様が訪れた。
神父様を前にして、二人は永遠の愛を誓った。
そして、誓いのキスをする。
舟の長すぎるキスに愛が口を離すと、会場で笑いが起こり和やかなムードは続いていく。







< 160 / 163 >

この作品をシェア

pagetop