イケメンエリート、愛に跪く
愛は舟の後ろに隠れてしまった。
仕事柄、俳優やミュージシャンや日本を代表する美男子を目にする事は多かったけれど、でも、このイケメンは一味違っていた。
外国人という特有の美しさはもちろんのこと、醸し出す雰囲気というかオーラというか、いや、きっと知性と品の良さとみなぎる自信が完璧なイケメンに作り上げている。
「用事があるのを思い出して。
あ、ジャス、紹介するよ。
友達の柏木愛さん」
愛は急に自己紹介をされて、慌てて前へ出てお辞儀をした。
そのジャスというイケメンは、品定めをしているみたいな目で私の事を上から下まで見ている。
「舟に日本人の友達がいたんだ…
あ、よろしく、俺はジャスティンと言います。
柏木愛さんか…
何か聞いた事がある名前だな… ま、いいか」
ジャスは愛に向けてウィンクをして、奥のブースへ消えて行った。
愛がポカンとしていると、舟は愛の腰を支え社長室に案内する。
「ガヤガヤしててごめんね… とりあえずここで待ってて」
舟はそう言うと、奥の共同スペースに戻って行く。
愛はジッと座っていられずにその社長室をキョロキョロと見て回ると、社長専用の大きなデスクの上にお洒落なフォトフレームがいくつか置いてあるのを見つけた。