イケメンエリート、愛に跪く
舟はもうこれ以上話す事はないと思っている。
Canhuuは、EOCの中で映像に興味がある人間が趣味で立ち上げた動画配信サービス事業と言っても過言ではない。
そのメンバーの中にはあの凪も入っている。
思った以上に規模が大きくなり、一つのちゃんとした個体事業として舟が代表に就任したばかりだった。
「興味がなければここで断って下さい。
興味があれば、日本のドラマや映画を日本オリジナル作品として共同制作し配信していく考えなので、どういうプランをお持ちか、資料として僕の方まで提出してください。
期限は三日後とします。
他のテレビ局にも同様の提案をしていきますので、そこはお間違いなく」
局長はいつの間にか立ち上がっていた。
局長に釣られて他の重鎮も立ち上がる。
「高市様、是非ともわが社を一番に考えていただきたいと思っています。
三日後、いやできるだけ早く、Canhuuと手がけたい映画やドラマの案を、そしてどういう形で共同制作をしていきたいか、高市様にご報告させていただきます」
舟は日本独特の謙譲語や尊敬語にチンプンカンプンだ。
でも、祖父母がいつも丁寧な言葉を使ってくれていたせいで、少しは理解できた。
「じゃ、僕はこれで…」
舟は要件だけを伝えるとその場を後にした。