イケメンエリート、愛に跪く
Rescue 4 いつかじゃなく今
舟は朝からソフィアの社長室に籠っている。
目星をつけた三つのテレビ局から、早々にお願いしていた資料が届いていた。
舟は届け先にEOCの東京支社takaichiのアドレスを指定した。
三社ある中で二社は資料をデータ化して送信してくれているが、一つの会社だけは何と紙の資料で送られてきた。
舟はあまりにも珍しくて逆にその会社に興味を抱くと、皮肉にも、その会社は愛の勤める関東テレビだった。
舟はニューヨークに拠点を持つ動画配信サービスCanhuuの主なスタッフに、この件について事前に相談をしていた。
日本のテレビ局を傘下に置く事は利口な策だと賛成してくれた。
そして、その決定権はCanhuuの代表である舟に一存するという口約も取りつけた。
舟は三社の特徴とマイナス点はもうとっくに把握している。
そして、これから先の需要を考えた時に、一番に欲するものはドラマや映画に対するテレビ局のクオリティだ。
それぞれのテレビ局のアピールポイントを舟なりに分析する。
はっきりいって、どんぐりの背比べ状態だった。
でも、逆に分析すると、アピールポイントが弱ければCanhuuの好きなように物事を進めていく事ができる。
そして、その弱小テレビ局は、EOCがバックについたCanhuuとの契約で、他の面にも潤いが生じるだろう。
舟はその自分なりの分析、解析を踏まえて、第一に関東テレビを持ってきた。