運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
私は急いで、掛けていたスチール製のフレームのメガネを外した。秘書っぽいかもと一緒に渡されたから掛けたけれど、これは危険アイテムだった。
「で、では次期社長、今日一日、よろしくお願いします」
「うん、よろしくね。影山さん」
私が言う『次期社長』
総一郎さんが言う『影山さん』
どちらも耳慣れないけれど、逆にそれが新鮮でせっかくだから今日一日の限定秘書を楽しもうと思った。
「今日はどこへ行かれるんですか?」
「牧場。実は何度も何度も足を運んでるんだけど、なかなか首を縦に振ってもらえなくてさ。ちょっと今、俺ややこしいことになってて、その牧場と契約を結ばなきゃいけないんだ。だから今日もお願いにいこうと思って」
初めて、総一郎さんから仕事の話をしてくれた。ややこしいことと言うのは、あの対立のことだと思う。
私はあえて何も知らないふりを続け、総一郎さんが話す話に頷きながら耳を傾けた。
「で、では次期社長、今日一日、よろしくお願いします」
「うん、よろしくね。影山さん」
私が言う『次期社長』
総一郎さんが言う『影山さん』
どちらも耳慣れないけれど、逆にそれが新鮮でせっかくだから今日一日の限定秘書を楽しもうと思った。
「今日はどこへ行かれるんですか?」
「牧場。実は何度も何度も足を運んでるんだけど、なかなか首を縦に振ってもらえなくてさ。ちょっと今、俺ややこしいことになってて、その牧場と契約を結ばなきゃいけないんだ。だから今日もお願いにいこうと思って」
初めて、総一郎さんから仕事の話をしてくれた。ややこしいことと言うのは、あの対立のことだと思う。
私はあえて何も知らないふりを続け、総一郎さんが話す話に頷きながら耳を傾けた。