運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「優衣さんは、バレンタインどうするつもりなんですか?まさか、ベタに自分にチョコを塗りたぐって、私をあげるとか?」


「はあ?何、言ってるの。そっか、バレンタイン。すっかり忘れてた」


次の日のお昼休み、私は水野さんとランチに来ていた。あの日から改心したらしく、何度も謝りに来た彼女。


最初は腹も立ったけれど、結局、妬む気持ちは分かるからと許すと、なぜか必要以上に懐かれた。そして、よくこうして二人でランチに行こうと誘われるようにもなった。


「ありえないですよ!バレンタインですよ!」


「わかった、わかった。だから声のボリューム落として」


今日は寒いから温かいものが食べたいと言う水野さんのリクエストで、真っ白くて細いうどんのような蕎麦を使ったカレーそばが人気の近くのお蕎麦屋さんに来た。

でも、会社から近いから誰が聞いてるかわからない。そんなところで大声でこんな会話をベラベラと話す水野さん。


幸い、同じ部署や階の人間はいないけれど、本当にやめてほしい。私から話題を変えることにした。

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