運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「なんなの、お兄さんはイケメンで、次期社長と親密なんて。あの子なんて大したことないのに」
大したことない。
お兄ちゃんと比べられて、よく言われた言葉。
完璧なお兄ちゃんに普通すぎる私。
今はそこに次期社長まで加わって、ますます私は自分が場違いに思えて仕方なかった。
「ほら、優衣。そんなに遠慮することないだろ?」
そんな私を見かねてか、総一郎さんがぐいっと腕を引っ張ってくれたけれど、敵意の眼差しはひどくなる一方だった。
「ご、ごめんなさい、お待たせ、お兄ちゃん。ありがとうございます、じ、次期社長」
「ああ、じゃあ行くか。総一郎、またな」
「うん。今度は俺ともゆっくり話しよう」
後ろ髪を引かれる思いで、歩き始めたお兄ちゃんの後を追う。
チラッと後ろを振り返ると、私たちに総一郎さんがヒラヒラと手を振っていた。
そして、さっきの女性たちが、我先にと総一郎さんの腕を掴む光景が見えた。
嫌だ、掴まないで。
「優衣、行くぞ」
その光景から目を離さず、立ち止まった私を急かすように手を掴み、スタスタと歩き出すお兄ちゃん。
それでも私は後ろをチラチラと見ては、今にもこの手を振り払ってしまいたい気持ちに駆られた。
「優衣、わざとだ。俺とあいつが一緒にいるところ、あの女たちに見せたのは。あいつはお前が傷つけられないように守ってるんだよ。だからそれを無にするな」
「えっ?!」
会社から少し離れた路地に入ったところでお兄ちゃんは私の手を離した。
大したことない。
お兄ちゃんと比べられて、よく言われた言葉。
完璧なお兄ちゃんに普通すぎる私。
今はそこに次期社長まで加わって、ますます私は自分が場違いに思えて仕方なかった。
「ほら、優衣。そんなに遠慮することないだろ?」
そんな私を見かねてか、総一郎さんがぐいっと腕を引っ張ってくれたけれど、敵意の眼差しはひどくなる一方だった。
「ご、ごめんなさい、お待たせ、お兄ちゃん。ありがとうございます、じ、次期社長」
「ああ、じゃあ行くか。総一郎、またな」
「うん。今度は俺ともゆっくり話しよう」
後ろ髪を引かれる思いで、歩き始めたお兄ちゃんの後を追う。
チラッと後ろを振り返ると、私たちに総一郎さんがヒラヒラと手を振っていた。
そして、さっきの女性たちが、我先にと総一郎さんの腕を掴む光景が見えた。
嫌だ、掴まないで。
「優衣、行くぞ」
その光景から目を離さず、立ち止まった私を急かすように手を掴み、スタスタと歩き出すお兄ちゃん。
それでも私は後ろをチラチラと見ては、今にもこの手を振り払ってしまいたい気持ちに駆られた。
「優衣、わざとだ。俺とあいつが一緒にいるところ、あの女たちに見せたのは。あいつはお前が傷つけられないように守ってるんだよ。だからそれを無にするな」
「えっ?!」
会社から少し離れた路地に入ったところでお兄ちゃんは私の手を離した。