運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「お兄ちゃん、改めて結婚おめでとう」

二人で近くの居酒屋に入り、乾杯。お兄ちゃんと詩織さんは今年に入り、すぐに籍を入れた。


というのも詩織さんのお腹に赤ちゃんができたから。とりあえず籍だけ入れて、安定期に入った頃に式をしようということになったらしい。


「ああ。優衣はどうなんだ?あいつと結婚するんだろ?」


「私は……」


お兄ちゃんに問われて、言葉に詰まった。
喉まで出かかっている言葉はまだ言えない。


「さっき言いかけたけど、あいつは本当にお前が思っている以上にお前を大切に思ってるぞ。普通、陰口を言われてるなんて気づきもしないんだからな。ストーカー並みだな、お前のことになると」


私の様子が気になって、秘書の野口さんに調査を依頼までしてくれた総一郎さん。

野口さんは社内のパイプも強く、すぐに私の陰口へとたどり着いたらしい。


そして、総一郎さんはあえて噂にまでした兄友を利用して、私への陰口をなくそうと考えてくれたらしい。
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