運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「総一郎さん、何かあったんですか?また、仕事のこととか?」


私の問いかけに小さく首を振る総一郎さん。
何もないはずない。
こんな風にお酒を飲んでフラフラになるなんて。


「総一郎さん、私頼りないと思うんですが、話を聞くことくらいならできますよ。一人で抱え込まないでください」


私の言葉に一瞬、驚いた総一郎さんは覆っていた腕を離した。
重なった視線からはいつもの余裕ある表情は見えなくて、悲しくて今にも泣きそうな瞳に見えた。


「・・・優衣はいなくならないかな?ごめん。酔っ払いの戯言だと思って聞き流してくれていいよ」


小さく自信なく呟く声は、総一郎さんのものとは思えないほどか細くて、本当に泣いているような気がして、私は声を荒げた。


「いなくなるわけないじゃないですか!いなくなりませんよ、なんでそんなこと言うんですか?」


「俺、君を大切にできているのかな?今まで人を大切にしたことがないからわからなくて」


「何、言ってるんですか。私、毎日幸せですよ。総一郎さんと一緒にいられて。今が一番幸せです。だからそんな悲しいこと言わないでください」


総一郎さんの言葉に私が泣いてしまった。
そんな風に思わせていたなんて。
私が、煮え切らないせいだ。


また、私が彼を傷つけた。
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