運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
そして、仕事終わりの夜八時。
私は的場くんと一緒に、この間水野さんたちと来た居酒屋にいた。


「ではでは、的場の栄転を祝ってかんぱーい!」


もちろん二人っきりじゃない。


同期会だからと渚を入れた三人で。

最初は、結婚準備で忙しいであろう渚を誘うのは迷ったけれど、一か八か声を掛けたら「行く!」と即答で返事が来た。


でも、渚が来てくれて良かった。
的場くんと二人っきりなんて、総一郎さんに誤解されたくない。


だからちゃんと、総一郎さんにも昔の仲良しだった同期が戻ってきたのでご飯に行ってきますと連絡もしてある。


「ありがとな、そういやお前、結婚するんだって?二十四で結婚って早くねえか?」


的場くんがビールを飲んで渚に言う。
私はそれをお通しを食べながら聞いた。
なるべく自分のことは話したくない。


今日は聞き役に徹するつもりだった。


「早くないよ。うちは、向こうが年上だしね。それに優衣だって・・・」


「影山も結婚するのか?!」


そう言いかけて渚がしまったという表情を浮かべて慌てて話題を変える。
一瞬で聞き役に徹するはずが私の話題になってしまった。
< 138 / 198 >

この作品をシェア

pagetop