運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
すがるような眼差しが痛い。でも私は総一郎さん以外考えられない。的場くんがどんなに私を思ってくれていても、その気持ちには応えられない。


「的場くん、ごめんなさい。気持ちはすごく嬉しかった。でも、私今の人以外考えられないんだ」


「・・・そっか。じゃあ仕方ねえな。即失恋なんてなんか幸先不安だけど、まあ同期としてはこれからもよろしくな」


「そうだよ、あんた同期には変わりないんだからね、ほら、飲もう!」


お開きになった午後十時。携帯を見ると、総一郎さんからの数回の着信履歴。心配してくれているのかもしれない。


ここは俺が出すからという的場くんの言葉に甘えて、少し二人から離れて、総一郎さんに電話を掛けた。


「もしもし、優衣?ごめんね、何度も電話を掛けて。ちょっと遅いから心配になって」


「すみません。つい、話に花が咲いて。でも、今から帰ります。遅くなってすみません」


「遅いし、俺、飲んでないから迎えに行くよ」


「だ、大丈夫です。私もそんなに飲んでないので」


ダメだ、渚だけならともかく的場くんと総一郎さんを会わせるわけにはいかない。


「本当に大丈夫?」と再度心配してくれる総一郎さんに念押ししたというのに、タイミング悪く、大声で的場くんが「影山ー!」と私を呼んだ。
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