運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
まさに今、その気持ちと同じ。

時折、胃が痛くなりながらも毎日メールばかり確認していた。



そんなときだった。
総一郎さんが親しく誰かと話す電話を聞いてしまったのは。


「久しぶり。うん。なかなか連絡できなくてごめん。今度会いに行くよ。うん、あとずっと言えなかったけどさ、あなたのこと大切だと思ってるから。それだけ」


大切に思ってる。
誰のことなんだろうと一気に不安が駆け巡った。私がいつまで経っても返事をしないから。

ううん、もしかしたら私よりも他に
大切に思う人ができたの?


「あっ、優衣。お風呂上がったんだ。どうした?そんなところに突っ立って」


放心状態でその場に立ち尽くす私に、「おいで」と手招きで呼ぶ総一郎さん。でも私は一歩もそこから動くことができなかった。


「優衣?」


「私より大切な人ができたんですか?」


涙混じりに言った私の言葉に目を丸くして、驚いた総一郎さんは、そのあと優しく微笑み、私のところまで来てくれて、不安を取り除くようにギュッと抱きしめてくれた。
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