運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「どうしたの?俺に優衣より大切な人なんていないよ」


「うそつき。さっき、電話で言ってたじゃないですか」


そう言って、もがいてもきつく抱きしめられているので動けない。

涙目のまま、総一郎さんの腕の中から顔を上げて、キッと彼をにらみつけた。


「さっきの電話か。確かに言ったね。でも、ごめんね。優衣とは違う大切さ。なんたって、母親だから」

その言葉を聞いて、今度は私が目を丸くして驚いた。恥ずかしい。

私ってば総一郎さんのお母さんだとは知らず、勝手に誤解して、あんなこと。


「もしかして、ヤキモチ妬いてくれた?」


「ごめんなさい、まさかお母さんだなんて思わなくて」


「優衣は本当に可愛いね。嬉しいな、優衣も俺と同じ気持ちだってことだ」


総一郎さんは少しはにかむように、照れ笑いを浮かべている。いつも総一郎さんは私に気持ちを伝えてくれる。

でも、私から総一郎さんにはあまり伝えられていないのかもしれない。


「私、総一郎さんを好きだと思う全ての女性に嫉妬します。それくらい総一郎さんが好きです」
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