運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
でも、六月になってもなかなかご両親に会う都合がつかず、それよりも先にお兄ちゃんと詩織さんの結婚式の日を迎えた。


六月の花嫁は幸せになれる。


それにこだわったのは、詩織さんじゃなくて、お兄ちゃん。ちょうど安定期ということもあり、一番いい時期で良かった。


お兄ちゃんの結婚式には、私だけでなく、総一郎さんも呼ばれている。
総一郎さんはお兄ちゃんの友達として。


『俺も行っていいの?』


招待状が二通届き、一通は私。
もう一通が総一郎さん宛てだったので、総一郎さんが慌ててお兄ちゃんに連絡すると、こんな返事が返ってきたらしい。


『当たり前だろ、優衣の彼氏なんだし、お前は俺の友達だからな』


総一郎さんは、お兄ちゃんにそう言われたことが本当に嬉しかったと言っていた。


『俺には、本当に信頼できる友達なんて今までいなかったんだ。でも優衣に出会えたことで友達まで出来た。大切な人が増えたよ。本当にありがとう』
< 167 / 198 >

この作品をシェア

pagetop