運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「優衣、悪かったな。何も言わなくて。これは総一郎と俺の二人だけの秘密だった。でも、俺も優衣には幸せになってほしかったし、治せる自信もあった。だから、俺たちは友達になれた。優衣を幸せにしたいと思う総一郎の思いに俺が乗ったんだ」
「それで治せるんだから、大したものだ影山先生は。二人の思いにまんまとやられてしまった。優衣さん、あなたは幸せ者ですね」
ソファに座らされ、隣には総一郎さん。
向かいにはお兄ちゃんと社長。
お兄ちゃんの話を聞いて、涙が浮かんだ私に追い打ちをかける社長の言葉。
幸せ者だ、私。
こんなにも愛されて、絶対的自信を持つ二人に守られて。
「泣かないでよ、優衣。これからみんなに公表するんだから」
「これからですか?」
うんと笑う総一郎さんの言葉に、涙すらも引っ込んだ。めちゃくちゃだ。
総一郎さんは少しも待ってくれない。
私はまだ落ち着きすら取り戻していないのに。
「総一郎、待ちなさい。それぞれ優衣さんと話もあるだろう。影山先生、まず優衣さんと話しますか?その後は、私。そして総一郎。発表はそれからでもいいだろう?総一郎」
さっきも思ったけれど、社長はとても優しくて素敵な人。怖いなんてとんでもない。よく見ると目元は総一郎さんにそっくりで、ジッと見つめているとドキッとしてしまいそうだった。