運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「それもそうか。わかった。優衣、じゃあ俺と社長は、隣の部屋にいるからここで東吾くんと話しなよ」
社長のありがたい提案で私と三人が一人ずつ話をすることになった。
社長と次期社長が不在だというのに社長室にいるのは気が引けるという私を拒否し、社長と総一郎さんは社長室を出て行ってしまった。
「お兄ちゃん!何から話せばいいのかわからないけれど、ありがとう。私のために。昨日は結婚式だったのに、ごめんね」
二人の姿が見えなくなると、私は緊張から解放されたようにお兄ちゃんの隣に座り、お兄ちゃんの手を取るとぎゅっと両手で握った。
「お前だけのために来たわけじゃない。あいつに頼まれたからな。種明かししたいって」
お兄ちゃんはそう言うと、総一郎さんと交わした会話を私に教えてくれた。
「初めて会ったとき、俺がお前達を反対したの覚えてるか?あのときだ、主治医を頼まれたのは。もちろん、今日のように結婚に反対されるのを阻止するためという目的もあったけど、もう一つ、あいつなんて言ったと思う?」
「なんて、言ったの?」
私が聞くと、お兄ちゃんは少し嬉しそうに微笑んでこう言った。
「『もし、俺が優衣を不幸にしたら、父親のことはあなたの好きにしていい』だ。まったく、重すぎて引いたぞ。でも、俺もお前が妹として本当に大事だから、自分の大切な人の命を医者とはいえ、彼女の兄に預けるほど本気なら降参だと思ったよ、お前、本当、すごいやつに愛されてるな」
社長のありがたい提案で私と三人が一人ずつ話をすることになった。
社長と次期社長が不在だというのに社長室にいるのは気が引けるという私を拒否し、社長と総一郎さんは社長室を出て行ってしまった。
「お兄ちゃん!何から話せばいいのかわからないけれど、ありがとう。私のために。昨日は結婚式だったのに、ごめんね」
二人の姿が見えなくなると、私は緊張から解放されたようにお兄ちゃんの隣に座り、お兄ちゃんの手を取るとぎゅっと両手で握った。
「お前だけのために来たわけじゃない。あいつに頼まれたからな。種明かししたいって」
お兄ちゃんはそう言うと、総一郎さんと交わした会話を私に教えてくれた。
「初めて会ったとき、俺がお前達を反対したの覚えてるか?あのときだ、主治医を頼まれたのは。もちろん、今日のように結婚に反対されるのを阻止するためという目的もあったけど、もう一つ、あいつなんて言ったと思う?」
「なんて、言ったの?」
私が聞くと、お兄ちゃんは少し嬉しそうに微笑んでこう言った。
「『もし、俺が優衣を不幸にしたら、父親のことはあなたの好きにしていい』だ。まったく、重すぎて引いたぞ。でも、俺もお前が妹として本当に大事だから、自分の大切な人の命を医者とはいえ、彼女の兄に預けるほど本気なら降参だと思ったよ、お前、本当、すごいやつに愛されてるな」