運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
そして、翌年の八月二日。

会社を辞めたというのに、私は総一郎さんに音羽堂へと呼ばれていた。


「ごめんね、こんなところに呼び出して」


「いえ、久しぶりに来られて、嬉しいです」


最初、ここに来て欲しいと言われたときは、どうしてだろう?とそればかり思っていた。


毎日、一緒にいるのに、どうして家で話さないんだろうって。


でも、ちょうど良かった。
私からも総一郎さんに話したいことがあったから。


「優衣、目をつぶって」


総一郎さんに言われ、目を閉じる。


ちょうど今日は毎年、行われる花火大会の日。音が聞こえる。目を閉じていると、あの日のことが鮮明に蘇ってきた。

そして突然、今までのことはすべて、私の夢の中の話だったんでは?と思い、不安になった。


どうしよう、目を開けると総一郎さんがそこにいなかったら。
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