運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
私がそう言いかけた途端、店内の女性から色めき立つ声がした。


まさかと思い、個室の扉を開けるととてもこの場に不似合いな総一郎さんが立っていた。
そんな総一郎さんに騒ぎ立てる水野さん。


「きゃーっ、どうしよう。次期社長がきてくれた。もしかして私に会いに来てくれたのかな？」


誤解されたくないからとここに来る前に総一郎さんには行き先と一緒に行く相手を連絡していたけれど、まさか来てくれるとは思わなかった。


「ごめんね、今日は優衣とこの後、会う約束してたから迎えに来たんだけど早かったかな？」


「あ、あの私、優衣さんと同じ部署で働いている水野杏（みずのあん）です。やっぱりかっこいい。あの良かったら私とクリスマス過ごしてくれませんか？」


あまりにもスムーズに誘う水野さんに総一郎さんも珍しく困惑している。

私を心配そうに見つめているけれど、水野さんをどうやって止めていいのか、私にもわからない。
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