運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
クリスマスも終わってしまったからイルミネーションも飾り付けも終わってしまい、街中はすっかりお正月ムードに変わってしまっている。今日は駅前で待ち合わせ。


水野さんは上から下までおしゃれをしている。松原くんの私服はセンスはあまり感じられないけれど、きっと彼なりに考えたのだろう。


「ねえ水野さん。ずっと聞きたかったんだけどどうして急に次期社長のことが好きだなんて思ったの?」


「えっ?だってカッコいいじゃないですか。それに次期社長ですよ、お金持ちだし、付き合ったら玉の輿ですよ。友達にも自慢できるし最高です。だから優衣さん、今日は邪魔しないでくださいね。私、今日キメるつもりですから」


次期社長だから、お金持ちだから。
玉の輿で友達に自慢できる。
そんな理由で好きだなんてよく言えたもの。


でもこれで遠慮なく楽しめる、このダブルデートを。



「松原だってそうだよね。優衣さんって可愛いし、同期にも自慢できる彼女だし、それに何より、次期社長と兄友だから出世間違いなしって。私が社長夫人になったら松原は副社長だねって話してたんです」


「へえ。君が社長夫人で彼が副社長か。音羽堂も終わったね。ごめん、優衣待たせて。じゃあ行こうか」
< 75 / 198 >

この作品をシェア

pagetop