運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「あれは本当なんです。優衣さんは松原と……」


「いい加減にしないと本気で怒るよ。自分の彼女、他の男と付き合うことになったなんて嘘でも聞かされると、気分が悪い。それにそんな金持ちだからとか次期社長だから好きとか言われても不愉快だから。少し、大人になろうか?それでも理解できないならそれなりにこちらも対応させてもらう」


「……二人のこと、バラしますよ?このことを知ったらみんな、優衣さんのこと傷つけるかもしれないですね」


総一郎さんの言葉に完全に逆ギレしてきた水野さん。切り札を出したと言わんばかりのドヤ顔で私たちにそう言い放った。


でも、それが本当に総一郎さんの逆鱗に触れてしまった。手を離した彼は、水野さんの前に立った。


「俺がそんなことで怯むと思ってる?言っとくけど、俺、優衣一人を守れないほど弱くもないし、優衣だってそんな脅しで別れを選ぶほど弱くもない。言いたければ好きにすればいい。というかむしろ、本気で腹が立ったから言えないようにしようか?」


「ま、待ってください。あの、影山さんのことは諦めます。だからクビとかやめてください。水野も彼氏と別れたばかりで幸せそうな影山さんを妬んだだけですし」
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