運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
私の手は震えたまま。
更には足までも震えてきた。
それくらいにここは威圧感に満ち溢れている。
それだけじゃない総一郎さんもいつも私の隣で笑顔を見せてくれる優しいイメージとは違う。
黒縁の眼鏡を掛けているから余計にそう思うのか、声を掛けることすらも躊躇う。
まさに次期社長の貫禄があった。
「あ、あの・・・」
「どうした?そんなとこに突っ立ってないで、こっちおいで」
軽く手招きで総一郎さんが呼んでくれるけれど一歩も踏み出せない。
ましてやこんな物、渡せるはずもない。
「やっぱり、わたし・・・」
「もしかして、何か持ってきてくれた?さっきから左手だけずっと後ろに回してるけど。こっちに来て、俺に見せて、それも優衣の顔も」
来客用のソファに座り、総一郎さんが私に向けて両手を広げた。
ダメなのに、やっぱり私と総一郎さんとは住む世界が違う。
そう実感したところなのに、さっきまで動かなかった足は彼の腕の中に一直線に歩みを進めた。
更には足までも震えてきた。
それくらいにここは威圧感に満ち溢れている。
それだけじゃない総一郎さんもいつも私の隣で笑顔を見せてくれる優しいイメージとは違う。
黒縁の眼鏡を掛けているから余計にそう思うのか、声を掛けることすらも躊躇う。
まさに次期社長の貫禄があった。
「あ、あの・・・」
「どうした?そんなとこに突っ立ってないで、こっちおいで」
軽く手招きで総一郎さんが呼んでくれるけれど一歩も踏み出せない。
ましてやこんな物、渡せるはずもない。
「やっぱり、わたし・・・」
「もしかして、何か持ってきてくれた?さっきから左手だけずっと後ろに回してるけど。こっちに来て、俺に見せて、それも優衣の顔も」
来客用のソファに座り、総一郎さんが私に向けて両手を広げた。
ダメなのに、やっぱり私と総一郎さんとは住む世界が違う。
そう実感したところなのに、さっきまで動かなかった足は彼の腕の中に一直線に歩みを進めた。