自分で決める！！！

『直之の父親は小説家なんだぜ』
『うん……。有名なの？』
『人気らしいぞ。有名な小説で…何だったかな？　ドラマ化されてて、視聴率も20%ぐらいあって……。
恋…恋…恋たび……』
『うん……。“恋する度”に？』
『そう。それだ！！』
『うん……。そうなんだ……』
『今度朝のワイドショーに取り上げられるらしいぞ。すごいよな？』
『うん……。すごいね』
父親は有名で人気がある小説家……。
『一高大学に受かった？』
『はい！！』
『ねぇ、お父さん。
一高大学って一番頭が良い大学よね？』
『ああ…。その大学の卒業生には総理大臣とか、大企業の社長とか居るんだ』
『まあ、すごい……。
進くんも総理大臣になったりするのかしら』
『おばさん、僕はそんな夢ないですよ』
『だったら、大企業の社長か？』
『おじさんまで……。止めて下さいよ……』
『悪い、悪い……。
君は賢い男だからな。本当に大企業の社長になれると思ったんだ…』
『私も進くんが総理大臣になるなら、安心して任せられると思って…。
由子もそう思うでしょ？』
『うん……。一高大学に受かるなんてすごい……』
全国で一番頭が良い大学一高大学出身……。
『由子さん、先月の営業成績……一位になりました！！！』
『うん……。おめでとう……』
『ありがとうございます！！！』
入社4か月で営業成績一位になる程の有能さ……。