自分で決める!!!
「由子さん」
「…何?」
「テレビの下の棚にはドラマ、映画のDVDがあります」
「……分かった…」
私は黒のソファーから立ち上がりテレビの所まで行くと、その場にしゃがみ、テレビの下の棚に並べられたDVDを一つずつ見ていく。
その中で選んだのが……。
「“恋する度に”ですね…」
進くんのお父さんの小説が原作のドラマ。
だから、選んだんじゃない。
物語が主人公の男女はお互い好き同士だけれど、女が恋する度に傷つけられてきたため、付き合って恋人同士になる事が出来ない。だから、男が自分を嫌いになるように女が努力するというドラマなのだ。
私もそれを実践中だから、何か参考になればと見る事を決めたのだ。
中学生の時に見ていたのだが、あんまり覚えてないしね。
「僕も見ていいですか?」
「うん……」
「隣に座っていいですか?」
「うん……」
進くんが隣に座る。
よし! 気にするな、私!!
集中! 集中!
[僕は…君が好きだ…。
僕と付き合って欲しい……]
[ごめんなさい……。
お付き合い…出来ません]
[(私もあなたが好き。
でも…私はあなたと付き合う事は…出来ないの…)]
出来ないよね?
「(私じゃない方がいい)」
私じゃない方がいいよね?
「(その方が幸せになれる)」
その方が幸せになれるよね?
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