自分で決める!!!
進くん……。
居ない……。
隣に座っていたのに……。
『私にあまり構わないで…』
進くん……。
私の言った事守ってるんだね……。
今までの進くんなら、私が起きるまで隣に居たよね?
『勝手に決めて、勝手にやらないで』
今までの進くんなら、私を自分の部屋のベッドまで運んで、掛け布団をかぶせたよね?
進くん……。
外出……したのかな?
……紙?
テーブルの上には一枚の紙が置かれていた。
【キッチンの見取り図を書きました。】
見ると、その紙にはキッチンの絵が書かれていて、どこに何があるかが細かく書かれていた。
そしてその下には……
【もし、自分で作れない物が食べたいのなら、僕が作ってもいいですし、買いに行きたいなら、僕が財布を渡します。
※僕は部屋に居るので、何かあれば呼んで下さい】
「部屋に居るんだ…」
物音一つしないから、分からなかったよ……。
『自分で決めて、自分でやって、過ごしてきたの。』
今までの進くんなら、私の好物をメニューに決めて作って、テーブルの上に並べたよね?
なのに……。
『テレビの下の棚にはドラマ、映画のDVDがあります』
『僕も見ていいですか?』
『隣に座っていいですか?』
私のために……ありがとう……。
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