サクラの扉
でも、腐れ縁っていえば、
もうひとり。
「ユカー、まじ眠い」
笑ってそう話しかけてくる。
アタシの前の席。
そこがアイツの居場所。
ユウキは中学のときから一緒。
コクられたこともあるけど、
アタシは断った。
だって、ユウキは
弟みたいなものだから。。。
恋人とか、そういうふうに
見れない。
それに、この関係が
壊れちゃうのがこわくて。。。
このときのアタシは本当
なにもわかってなかったんだね
ねえ、ユウキ。
「昨日、遅くまで練習してたから」
と、ユウキは言った。
「部活?」
アタシも笑って聞く。
そのときだった。
教室の外から、軍馬の蹄鉄が
廊下をはしって
近づいてくるのがきこえたんだ。。。