サクラの扉

悲劇のはじまり

「ユカ!」

ウルサイだみ声がとびこんでくる。

どぶネズミみたいな色の軍馬にのった
茶髪の男。
ピアスをじゃらじゃらつけている。

「ユカ、迎えにきたよ」

「ヒロ。。。」

アタシはヒロが嫌いだ。

なんか薄っぺらいし、
2組のマサコを妊娠させたとゆう
噂がある。

「ユカ、一緒に行こう。
 一緒に暮らそう」

ヒロが私の腕をひっぱった。

「キャー、やめて」

アタシは大声をあげた。

「ユカから手をはなせ!」

そのとき、ユウキが
愛馬サンダークラップに飛び乗って、
突進してきた。

ぎゅっと胸が締めつけられた。

ウソ。。。

ユウキ、アタシのこと。。。

「グワーッ」

ヒロはユウキの繰り出す槍を
かわそうとしたけど、
そんなの無理。

だって、ユウキはこの前の
馬上槍試合(ジュースト)で
校内1位になったほどの
つわものだもん。。。

「ヒィッー!」

ヒロは悲鳴をあげて、
肩からちぎれた腕をおさえた。
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