ほら、笑って
二人出た愛のない話をしながら屋上へ向かう。




小夏は屋上の扉の鍵穴に鍵を差し込むとゆっくりと左に回した。




カチャ




まだ半信半疑だった俺は思わずマジか、と呟いてしまった。




「もー!真白、疑ってたの?信用ないなぁー、」




膨れっ面になった小夏が腕を組みながら俺を見つめる。




『そんなことないけど…』




俺はそう答えながら小夏がしてきた数々のことを思い出していた。




俺が病気のことを忘れてしまってて小夏が思い出させてくれた時に急にオレンジジュースを買いに走っていったこと。
俺の分のおかゆを全部食べて慌ててもう一つ取りに行ったこと。






他にも様々。





小夏は破天荒な正確だから屋上の鍵を持ってることを疑ってしまった。
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