お気の毒さま、今日から君は俺の妻

「なんですか、そのわけわからない言い訳! そんな言い訳で私が許すと思ったんですか~っ! いや許すけど、許しちゃうんですけどぉ~! てかそのいろいろあって急いで結婚って、突っ込みどころ多すぎないです? もしかしてあれですか、入院していたおじいちゃんが急に容体があやうくなって、かわいい孫の花嫁姿を見せてあげないといけなくなったからとか、そんな系ですかっ!」


 畳みかけるような言葉の連続に、『なるほど、そういうの、感動系のテレビ番組でありそうだなぁ』と思いながら、澄花はふんふん、とうなずいた。
 まさにテレビっ子の珠美ならではの発想だ。


「違うけど……よく思いつくわね、タマちゃんすごいわ」
「いやそんなことで感心しないでくださいよ~先輩っ」


 珠美は頬を膨らませた後、くやしそうに地団太を踏んだが、澄花の手からモップをもぎ取って、唇を尖らせた。
「とりあえず掃除を済ませてしまいましょう。話はまたあとですよっ! ちゃっちゃと手を動かしてくださいねっ!」
「わかりました……」


 珠美のその剣幕に若干飲まれながら、澄花はこっくりとうなずいた。


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