お気の毒さま、今日から君は俺の妻

(そうよね……初めてだからいいのかってことになるし……そもそも天宮さんには関係ないといえば関係ないし……なに言ってるんだろう)


 そうは思うが、吐き出しようがなく、澄花は自分で腕を氷で押さえながら、唇をかみしめた。


「本当にどうしてか……わからなくて……」
「――理由ということなら、心当たりはあるよ」
「え?」


 なぜ自分が分からないことを、天宮がわかるのだろう。


「どういうことですか?」


 澄花は首をかしげる。


「もしかしたら俺のせいかもってこと」
「俺のせい?」


 澄花は目を丸くする。

 天宮は親切にしてくれただけだ。怪我が天宮のせいであるはずがない。


「そんなはずありません……そんなこと……」


 澄花は首を振って目を伏せた。


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