お気の毒さま、今日から君は俺の妻
葛城龍一郎の恋
「どういうことなんですか……?」
澄花は震える声で問いかける。
その視線を受けて、龍一郎はもうあきらめたのだろう――はっきりと口にした。
「――君を見染めたのは……春のKATSURAGIのパーティーじゃない」
「そういえばあの時も、私の事を知ってるって……」
「ああ。七年ぶりだった」
「七年……」
七年というのは澄花にとって意味のある数字だ。
しっかりと立っているはずの足元が、グラグラと揺れる。
龍一郎は青白い顔をして立ち尽くす澄花の手を取り、部屋の中にある小さな椅子に座らせた――。