お気の毒さま、今日から君は俺の妻
些細なことで喜んでくれるのは、彼が澄花を愛してくれているからなのだろう。
きっと彼なら、切って挟むだけのサンドイッチだって絶賛してくれるに違いない。
(早く顔が見たいな……)
澄花は今頃仕事を切り上げて、こちらに向かっているだろう龍一郎のことを思いだして、ほんわかとあたたかい気持ちになった。
その後、なんとかサンドイッチの体裁を整えているうちに、いちいちすべてを挟んでいる暇がないと気づいたふたりは、たくさんのお皿に具材を並べて、子供たちに好きなものを挟ませるというバイキング方式にした。そしてなんとか怒涛のランチ時間を終えることが出来た。
「澄花さんのおかげです。ありがとうございました」
基は子供たちにも大人気らしく、わぁわぁと小学生くらいの子供たちにもまれたあと、彼らを再び馬場に送り出してから、澄花に頭を下げる。
「いえ、そんな。お役に立ててよかったです。それにこういうのも新鮮で、楽しかったです」
「本当ですか?」
基が驚いたように軽く目を見開く。