お気の毒さま、今日から君は俺の妻
しばらくして、眩暈がおさまった澄花は、ゆっくりと体を起こす。部屋の中を見回すと、リビングのテーブルの上に箱が置いてあることに気が付いた。
蓋を開けると、中にはシンプルな長袖のワンピースと下着が重ねて置いてあった。カラーはどちらも黒だ。
だが果たしてサイズはあっているのだろうか。何気なく下着の表示をチェックしたが、外国語表記でよくわからない。ただ、レースを使った下着はいかにも高級品といった感じだった。
「これを着ていいってこと?」
不安になりながらも服を手に取り、周囲を見回す。
これを持ってきてくれたらしい女性スタッフの姿はない。
ふと気になってバスルームに戻ると、自分が脱いだ服がすべて持ち去られていた。下着もだ。もしかしたらそれでサイズを確認して、新しいものを用意してくれたのかもしれない。
「私なんかが着てごめんなさい……」
こっそり謝りながら、バスローブを脱ぎ下着とワンピースを身に着ける。