ただ、そばにいたいだけ。
すぐに、


「いいよ」


こう言った。

自分で言ったくせに、新くんがあまりにもあっさりオッケーするものだから思わず立ち尽くしてしまった。



「今週の日曜でいいなら」



「ぁ…え」


どうしよう…新くんと、デート?
こんなに幸せなことってあるんだろうか。
頭の回転が追いつかない、追いつけない。



「嫌ならいいけど」


今なら彼の無表情な顔も、笑った顔に見えてしまうわたしはきっとおかしい。


「嫌じゃないっ…!日曜がいいっ」


まるで夢をみているみたい。
新くんとデート…ずっと妄想していたことが現実になったんだもん。



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