ただ、そばにいたいだけ。
そうだ、そうなのだ。
無口&無表情&冷たい…最強三原則の持ち主の新くんとデートなんて、緊張しないわけがない。



「楽しみだけど、緊張で動けない自分が予想つくんだもん!どうしよ…」


デートなんてはじめてのわたしに、なんでよりにもよって新くんなの。
まぁ好きになったわたしがいけないんだけど…。



「心配しなさんな、なんとかなるって」


……玲みたいにアイアンハートじゃないもん。

余裕な顔して答える玲にむっとする。



「せっかくのデートなんだから楽しみなよ、最初で最後かもじゃん」



何気なくいったであろう玲の言葉が、胸に深く入ってきた。
そうだった……そうだよ。
嬉しすぎて、忘れてた。



「……うん」


こんな奇跡、もうないかも。

新くんとデートできるなんて。


わたしなりに、楽しもう。うん。
緊張なんていってられないよ。
何が何でも楽しんでやるんだからね。
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