ただ、そばにいたいだけ。
わたしの彼氏、波多野 新(はたの あらた)はめちゃくちゃモテる。


…もう彼氏っていっていいのかわからないけど、ここはわたしなりの意地のようなもの。



1年生の入学したばかりの頃から、彼の名前を知らない人なんていなかった。



怖いくらいに整った顔、なんでもできてしまう高身長に長い足、整えられた黒髪。



どこをとっても完璧な彼は、やっぱり女の子がほっとくわけはなくて。



めちゃくちゃカッコイイ人がいる、そんな噂と一緒に流れてきたのは、『超遊人なんだって』。

普通なら、軽蔑してもおかしくはないと思う。そんなヒト。
だけど…
それでもいいからと、女の子は彼に遊ばれに行く。



「れいー」


「なによ」


「新くんね、左耳にピアスしてるだよ」


「へー」


「カッコイイんだよ、全部」


「はる、ぞっこんじゃん」






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