ただ、そばにいたいだけ。
―――――― …

―――…





「これ」




そう言って新くんが渡してくれたのは、さっきまでわたしが見ていたペンギン。
可愛く包装されている。





「あ、ありがとう…なんで…なんで買ってくれたの?」



「別に、気まぐれ」


わたしの予想、わたしの妄想だけど。
ちょっとだけ新くんの考えたことがわかったような気がした。

普通の彼氏じゃなくて、だから、普通の彼女じゃないわたしへのせめてもの優しさ。




「ありがとう…う、嬉し…一生宝物にする!毎日一緒にいるっ!ありがとう」




「ふっ…何回礼言うんだよ」




涙がでかけた寸前で『もう泣くなよ』って釘をさされたから、頑張って我慢した。




なんかもう、新くんがちょっと笑ってるから…あぁやっぱ好きなんだって思わずにはいられない。
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