❆LastChristmas❆
そしてあたしは家を飛び出した。


プルルルル



『おかけしたお電話番号にお繋ぎしましたが…』


「…出ない。」


あたしは何度も淳史君に電話を掛けた。


だけど…


淳史君は出なかった。


あたし…バカだ。


淳史君をどんどん好きになる自分がいたのを分かってたのに…


踏み込めず、逃げ出した。


…恋をする事に臆病になっていた。


「…淳史君。どこ?」


ダーツバーも、ショッピングモールにも淳史君はいなかった。

その時淳史君の言葉を思い出した。


《24日、ここの場所で》




そしてあたしは、最後のあの場所に向かった。


初めて出会ったあの場所で…。


「…着いた。」


その時、淳史君が立っていた。


「淳史君!」


あたしは淳史君の名前を叫び、走った。


「…志保。」


「よ、良かった…。いた…。」


「どうして…。」


「…ごめんなさい!」


「…え?」


「あたし、淳史君を騙してた。」


「…え?」

「…あたし、ジャ○ーズオタクなの!」
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