❆LastChristmas❆
「…確かに俺は、梨奈の言った通り、昔ナンパしていつも仲間達とかけてた。
誰が先に落とせるか…。ゲームをしてた。…志保と出会ったのも本当は初めてじゃない。」

「え?」

「ナンパされる志保を俺は、時々いつも見てた。
…一目惚れだったんだ。
だけどあの場所に行ってもいつでも会える訳じゃなかった。」

「………」

「だから偶然会えたあの日、俺は志保に声を掛けた。
逃したくなかったから。」


「……」


「…俺は志保の事、本気で落としたいとずっと思ったんだ。
…賭けとかじゃなくて。本気で。
だからゲームなんて使って、むりやりこじつけ志保とデートをした。…最低だよな俺…ごめん…。」



そう言って淳史君は頭を下げた。 


「……」


「…今更言っても信じて貰えないのは分かってる。
でも俺は本気で志保が好きだ。一目惚れしたあの日から。」



「…淳史君。」



「…でも今日で終わりにする。志保、今まで困らせてごめん。来てくれてありがとう。楽しかった。…じゃあな。」

そう言って淳史君は悲しい笑顔で笑った。



…これで終わりなの?



「…待って!」



帰ろうとした淳史君を、あたしはひきとめた。



「…あたしも好き!」 



「…え?」


「淳史君が好きなの!」


「志保?」


あたしの4日間は濃かった。


淳史君と過ごした毎日はかけがえのない時間だった。


「…一緒にダーツ行けて楽しかった、一緒にLINE出来て楽しかった」


「…志保。」


淳史君はあたしの前に来た。


「あたし、誰とも付き合った事がないから全然分からなかったんだけど…。
…でも!淳史君から来なかったLINEは寂しかった!」


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