❆LastChristmas❆
その時、淳史君があたしを抱きしめた。


「淳史君…?」


「志保…ごめん。泣かせて…」



抱きしめられる淳史君の腕…。

すごく暖かった。


「…もう絶対、志保を悲しませない。…だから俺と付き合って下さい。」


「…はい。」 


そしてあたしは、淳史君の背中に腕を回した。


その時


ゴーンゴーン


時計の針の音が鳴った。


「…何の音?」


その時、淳史君が身体を離した。


「志保、知らねえの?ここの噴水今日クリスマスだからこの音が鳴ったらイルミネーションがつくんだよ。」



「…そうなの!?」


その時、


順番にイルミネーションがついた。


「…わあ。綺麗。」


「…そうだな。意外と皆、この事知らないからな。俺らの秘密な。」

「う、うん…。」

その時淳史君があたしの手を握り、自分のアウターのポッケに手を入れた。

「あ、淳史君?」

「…この方が暖かいだろ?」


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